旅人は、笑ったよ。
白いフラミンゴを何処までも何処までも追いかけて、
西へ西へと進んだよ
くうはくの、西へ
それこそ
歴史ある巨大な迷宮を眺めてるよりいいとおもったから

この世のいかなる物よりも冷たい目で
君の中心にナイフを突き刺す為に

幻覚、見てたのかもしれないな。
実際なにもかも不確かなものだけれど。
大事に持ってた筈の手紙を失くした、
事実だって
どうせはじめから方角なんてどうでも良かったし
もう何処へむかっているかなんて立ちどまっても分かんないよ

恋、してたのかもしれない
この心ちゃんと掴んだら水たまりに向けたチューリップを捧ごう
ささやかに、ささやかに
息をする間もないほど
一瞬で君に消されてしまったから

だから、笑ったよ

( 絶望の神は微笑んでくれたのかなあ。 )


ウエスト彗星12号(070402)