死にたがり症候群


たとえばぼくらがさかなだったころ
そのレンズに
どんなせかいがうつっていたのだろう
いまとかわらぬちっぽけなせかいが

ぼくらは一角獣(ユニコーン)のように
けがれにあこがれ
いっそさめない悪夢をみつづけていよう
まだ かな トーストと目玉焼きのにおい

ぼくらの回線はどこかでショートして
いつかぱちん、とはじけてしまおう
ああそれまでに
ニュー・ネッシーに出会えるかしら

たとえばぼくらがぺんぎんだったなら
グリーンランドの雨にうたれて
いつだって
とけかけの氷河に追われていたい。

いつだって
ハッピーに死んでいたい。


070603